【傑作選】Not Foundシリーズの珍エピソードランキング【古賀D&杉本AD】

2020年10月15日

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Not Foundシリーズとは?

Not Foundシリーズとは、

インターネット上に公開されたものの、あまりの過激さ、恐ろしさ、あるいは個人のプライバシー問題により削除された禁断動画の数々を収録。

Not Foundパッケージから引用

した動画作品である。内容は、グロテスクなモノから心霊動画まで幅広く取り扱っており、衝撃的な映像であればジャンルは問わないというスタイルを取っている。

本シリーズは2020年4月現在で第40作まで作られており、世に数多あるオカルト動画モノの中でもそれなりに人気があることが伺える。

この作品、普通にオカルト動画としても見てもそこそこ面白いのだが、真の魅力は別のところにある。

Not foundシリーズの魅力

近年のオカルト動画のトレンドとして、撮影スタッフが実際に映像に出演するパターンが見受けられる。

彼らは投稿者にインタビューを行ったり、現地に取材に向かったりする。実際に怪奇現象に巻き込まれるパターンもあり、いわゆるフェイク・ドキュメンタリーとして作られている場合もある。この試みは「本当にあった!呪いのビデオ」シリーズが元祖だとされているが、Not foundシリーズでも取り入れられている。

そしてこの取材部分こそ、Not foundシリーズの大きな魅力だ。その中核を担うのが、古賀Dと杉本ADとのコンビである

杉本ADはNot foundの実働部隊であり、ディレクターである古賀氏とコンビで取材を行い、オカルトに対して懐疑的な古賀Dと、オカルト大好きで思い込みが激しい杉本ADは、度々衝突を繰り返しながらも事件の真相に近づいていく…。

こう書くと、ドラマの「ケイゾク」や「SPEC」のようなバディ物を思い浮かべてしまうが、別にこの二人は天才的な閃きや洞察力を持っているわけではない。むしろ一般人より感性がズレていることの方が多い(特に杉本AD)。

しかし、この絶妙なズレ加減が事態を予測不能な方向に導いていき、なぜか最後は「なんだか良く分からないが面白かった」という謎の満足感が残るのだ。

自分でも何を言っているのか良く分からなくなってきたが、Not Foundの取材回に不思議な魅力があるのは確かである。

さて、前置きが長くなってしまったが、今回はNot Foundシリーズの1〜20巻までの珍エピソードをランキング形式で紹介したいと思う。

5位 女性の喘ぎ声(Not Found13)

Amazon商品ページから引用

あらすじ
古賀Dと杉本ADの元に、夜な夜な隣の部屋から女性の恐ろしい声がするという投稿が送られてきた。二人は現場に向かい、張り込み調査を行う。そして明かされる声の正体。そしてその時二人が取った行動とは…。

隣室で聴こえてきた声は、なんと隣人が呼んだデリヘル嬢の喘ぎ声であった。依頼女性は長らく引きこもりであったため、SEXという概念を知らず、霊による呻き声だと勘違いしているらしい。

「アホらしい。36歳の生娘になんか付き合ってらんないよ。今から説明してくるわ」と吐き捨てる古賀Dに対し、「本当の事を言ってしまえば彼女は傷ついてしまうかもしれません。私に考えがあります」と言い放つ杉本AD。

杉本ADは依頼者の元を再び訪れ、「世の中には良い霊と悪い霊が存在します。隣の霊は良い霊なので大丈夫です!」と説明する。古賀Dも「霊と共存して暮らしていくっていうのも一つの考え方だと思うんですよね」とヤケクソ気味にフォロー。

それでもなお不安な様子を見せる投稿者に対し、杉本ADは「それでも不安であれば一応お祓いをしますが…」と提案。依頼者はお祓いを受ける事を希望したが、祈祷師として出てきたのはなんと白装束を着た古賀Dであった。

白装束に身を包み、達観した表情で鎮めたまえー鎮めたまえー(棒読み)と依頼者(なぜか杉本ADも)のお祓いを行う古賀D。お祓い後、依頼者は晴れ晴れとした表情を見せ、古賀Dと杉本ADは「これで良かったんだ」と言いながら帰路に着くのであった…。

第5位は13巻に収録されている「女性の喘ぎ声」。

声の原因が判明した後、あとは普通に依頼者に説明すればそれで事件終了なところ、杉本ADの「私に考えがあります」からの怒涛の展開。撮れ高が勿体無かったのか、それとも初めからこのプロットだったのか。

杉本ADの無理やりすぎる理論にも笑ってしまうが、何よりも終盤の古賀Dには誰もが「お前がやるんかーい!」とツッコんだことだろう。

4位 ご当地アイドル盗撮動画(Not Found10)

Amazon商品ページから引用

あらすじ
ある日杉本ADは、オレンジポートというご当地アイドルグループの動画が大量にアップされ、その後全て削除されていることに気づく。調査の結果、原因はメンバーである北村マキに対するストーカー被害によるものであった。自身もストーカー被害を経験したことのある杉本ADは、彼女を守るため孤独な闘いを始める…。

北村マキ(マキティ)を悪質なストーカーから守るべく、ボディガードを始める杉本AD。他の取材中にも彼女の安否を常に確認し、彼女の移動するルートは予めチェックしておく。半ば呆れる古賀Dに対して、ボディガードの心得を熱く語る杉本AD。しかし、そんな杉本ADの努力を嘲笑うかのように新たな盗撮動画がアップロードされてしまう。

マキティの不安と杉本ADの怒りはピークに達し、杉本ADは犯人を捕まえるべく一計を案じる。それは自身がマキティに変装し、ストーカーをおびき寄せるというものであった。

深夜のトイレでマキティと入れ替わり、人気のない方に歩いていく杉本AD。すると、背後から彼女に近づく怪しい男が現れる。カメラが二人を見失った直後、「イヤー!タスケテー!(棒読み)」という杉本ADの悲鳴が聞こえ、古賀Dは急いで現場に向かう。そこにはストーカーと思しき男を取り押さえた杉本ADの姿があった。えっ?襲われてたんじゃないの?

「こいつマキティじゃねぇし!」と最初はキレ気味だったストーカー男も、杉本ADの説教を受け、「どうやって応援していいか分からなかったんですぅ…」と涙ながらに謝罪。マキティも広い心で男を許し、男は二度とこんな事はしないと誓って去っていくのであった。

後日、オレンジポートの路上ライブに訪れた古賀Dと杉本ADは、最前列でマキティを応援しているストーカー男を見つける。「もう大丈夫だと思います」杉本ADは満足した顔で言い、いつもの日常に戻っていくのであった…。

第4位は10巻に収録されている「ご当地アイドル盗撮動画」。

インタビューしたその日からナチュラルにマキティと呼び始める杉本ADにも笑ってしまうが、このエピソードの面白ポイントは杉本ADによるボディガードの下りだろう。

5m後ろぐらいから常にマキティを追跡しているのだが、当然真昼間にストーカーが襲ってくるわけもなく、傍から見ているとどちらがストーカーだか分からない。というかストーカーを見つけたいのであれば遠くから撮影していた方が良いのでは…?

ちなみに、このエピソードで登場するオレンジポートというユニットは実在し、2019年12月に解散するまで沼津市のご当地アイドルとして活動していたらしい。また、話中で登場する北村マキは脱退後、仮面女子に転向し、その後はヘルニアの再発によりアイドル活動を休止しているとのこと。

そう考えると、これはNot Foundとご当地アイドルのタイアップ企画…だったのだろうか。

3位 小さいおじさん(Not Found16&17)

Amazon商品ページから引用

あらすじ
「小さいおじさんって知ってますか?」二人の元に小さいおじさんを目撃したという女性から調査依頼が届く。依頼者は小さいおじさんの撮影に成功したが、データが消えてしまったという。二人はデータの復旧に成功し、明かされる衝撃の真実とは…。

復旧したデータに納められていたのは、大量のおじさんの画像データであった。「この人、単なるおじさんフェチなんじゃないの?」と至極真っ当な推測を述べる古賀D。それでも食い下がる杉本ADを納得させるため、真相を明らかにするべく、古賀Dは一計を案じる。

古賀Dの作戦とは、依頼人にインタビューをするフリをして、席の近くにおじさんを配置し、依頼人の反応を観察するというものであった。

古賀Dはこの日に備え、助っ人を要請していた。クレイジー金子である。「誰ですかアレ?」困惑する杉本ADは古賀Dを問い質す。「オイオイオイ…失礼だろ。おじさんだよ」当たり前のことを聞くなと言わんばかりの古賀D。
いやいやいや、誰だよクレイジー金子って。まず名前にツッコめよ。

喫茶店でのインタビューが始まると、依頼人は露骨にクレイジー金子の方をチラチラと気にしはじめる。確信した古賀Dは店に踏み込み、結局「小さいおじさん」はおじさんフェチの幻覚ということで結論が出たのであった。もう意味がわからないよ。

後日、依頼人から御礼のメールが届き、それにはクレイジー金子と一緒に映った写真も添付されていた。二人は何とも釈然としない気持ちになりながら、仕事に戻るのであった…。

第5位は16巻と17巻に収録されている「小さいおじさん」。

このエピソードの面白いところは、古賀Dと杉本ADの「おじさん」に関する諸々のやりとりだ。

例えば、冒頭で杉本ADが「小さいおじさん」について古賀Dに説明するのだが、それを聞いた古賀Dは「どうしたぁー、杉本ー?杉本ぉ?」と「コイツとうとう頭がイカれちまったか…」と言わんばかりのトーンで聞き返すシーン。

この時の古賀Dの演技があまりにも実感がこもりすぎていて、演技なのか素なのか分からなくなる。ちなみにその後、その態度にイラッときた杉本ADが「古賀さんだっておじさんじゃないですか」と反撃し、古賀Dがガチ凹みするのも面白い。

しかし、このエピソードのMVPは、やはり助っ人おじさんとして登場する「クレイジー金子」であろう。名前の出オチ感に加え、腰も低く顔も温和なのに目は終始笑っていない表情など、底知れぬクレイジーさを感じさせるおじさんであった。ていうか何で誰も名前にツッコまないの?

ちなみにググってもクレイジー金子なる名前の役者等は引っ掛からなかった。ある意味一番オカルトである。

2位 忍者発見!(Not Found20)

Amazon商品ページから引用

あらすじ
二人は三重県の伊賀市でとある調査を行なっていた折、森の中で鎖鎌やマキビシといった道具に加え、その場から走り去る忍者と思しき影を目撃する。二人は作戦を練り、忍者を捕らえることに成功するが…。

二人が捕えた忍者は「伊賀先」と名乗り、本人曰く「日本最後の忍者の一人」とのことであった。あからさまに信用していない様子の古賀Dを他所に、伊賀先氏は手裏剣の投擲や兵糧丸、薬草の知識などを披露してみせ、「後継者がいないので私が最後の忍者です…」と悲しげに語るのであった。
 
この事件から数日後、杉本ADは古賀Dにある考えを打ち明ける。「私、忍者の赤ちゃん産んでも良いと思ってるんですよ」。唖然とする古賀Dを横目に、忍者という存在の重要さを熱弁する杉本AD。「あの人結構歳いってたぞ。そもそも仕事とかどうするの?」という古賀Dの常識的な質問に対し、杉本ADは「私年上もいけますし。仕事は何週間か休みください」と強気に切り返す。

その後も議論は平行線のまま、業を煮やした杉本ADは部屋を叩きつけるようにして出て行ってしまう。翌日、杉本ADは伊賀先氏に想いを伝えるべく、(取材をすっぽかして)再び単身伊賀市へと向かうのであった。

伊賀先氏との邂逅に緊張する杉本AD。しかし呼べども探せども伊賀先氏の姿はない。ふと目を遣ると、そこには忍者文字?で書かれた手紙が残されていた。解読すると、その手紙には「さらば」とだけ書かれていた…。

その翌日、出勤した杉本ADは古賀Dにこっぴどく説教される。「良いトシして仕事すっぽかすとかマジでないから」と怒る古賀Dに対し、「古賀さんに忍者の何が分かるんですか!」と逆ギレして部屋を出ていこうとする杉本AD。「どこ行くの?伊賀じゃないよね!?」と制止する古賀Dを振り切り、杉本ADは次の日も仕事をすっぽかしたのであった…。

最初から最後まで全力でネタに走ったエピソードである。全編を通じてツッコミどころを挙げればキリがないが、最後の忍者と称するおじさんの胡散臭さが絶妙。忍術のデモンストレーション(大体できていない)もクスッと笑ってしまったが、兵糧丸らしきものを食わされた時の杉本ADのリアクションがガチっぽくて面白い。

しかし、このエピソードの目玉はやはり、忍者おじさんとの邂逅後に杉本ADから放たれる衝撃の一言だろう。流石にこれは演技だと信じたい。…演技だよね?

Amazonのレビューを読んでみると、「もうこんなふざけたビデオは見ません!金返せ!」という層と「話がぶっ飛びすぎてて面白い」という層で二極化していた。そりゃそうなるよね。

1位 中学生の集まる心霊スポット(Not Found15)

Amazon商品ページから引用

あらすじ
杉本の元に視聴者からある調査依頼が届いた。中学生になる息子が深夜に外出し、カルト系の本を収集しているらしい。心配になった杉本は現場に向かい、真相を突き止める。しかし、その先に杉本を待ち受けていたのはあまりにも残酷な現実であった…。


依頼人である母親から許可をもらい、息子(祐介)の部屋を捜索する二人。部屋からは心霊や呪術に関する本や呪いの道具、あとエロ本が大量に置いてあり、最初は懐疑的であった古賀Dも異常な事態であることを認識する。事態の究明には当事者である彼から話を聞くのが手っ取り早い。しかし、突然聞いても答えてくれるとは思えない。そこで杉本ADは祐介から話を聞くべく、一計を案じるのであった。

学校の前に張り込み、下校中の息子に突撃する杉本AD。自分がNot Foundに出演している有名人だと主張し、強引に話を聞き出そうとする。案の定、警戒した息子は走り去ってしまい、直接話を聞くことは難しくなってしまった。「作戦ってまさかこれじゃないよな?」と問いただす古賀Dに対し「いや、オカルト好きなら私の事知ってるかなーって…」と所在なさげに答える杉本AD。「そんな自分が有名だと思ってるの?このシリーズは結構ギリギリなところでやってんだよ。知るわけないだろ!」と自虐ネタを挟みつつ杉本ADを叱る古賀D。結局二人は直接話を聞くことを諦め、周辺の情報を集めることにしたのだった。

聞き込みの結果、近くの公園の池に女の幽霊が出現し、それを見たものは池に引きずりこまれて殺されてしまうという噂があるらしい。それを知った杉本ADは一つの仮説を立てる。「まさか祐介君、死のうとしてるんじゃないですか?」。古賀Dは流石にそれは考えすぎだろうと言いつつも、念のため彼に監視をつけることにした。

案の定監視がバレ、その場から走り去ってしまう祐介。スタッフの必死の捜索の末、杉本ADは池の側に立つ祐介を発見する。自殺をさせまいとタックルする杉本ADに対し、突然襲いかかってきた女に戸惑いを隠せない祐介。古賀Dは何とか二人を落ち着かせ、ようやく話を聞くことに成功する。

そうして彼の口から語られたのは「池に出てくる女性の幽霊が上半身裸だと聞いたので、女性のおっぱいが見たくて召喚しようとした」という何とも気の抜ける動機であった。予想外のオチに脱力する一同であったが、彼の境遇に同情した杉本がある提案をする。

「私ので良ければ、見せてあげようか?」

暗がりに祐介を連れて行き、自身の胸を見せる杉本AD。しかし、彼の口から出てきた感想は「ちょっと思っていたのと違ったです…」という正直残酷すぎるものであった。「そうか、違ったか…なんかゴメンな…」と少年をフォローする古賀Dを見て、マジ切れした杉本ADはその後1週間、スタッフと口を聞かなかったという…。

1位は15巻に収録されている「中学生の集まる心霊スポット」である。

個人的に、Not Foundの中で一番笑った話。最初のナレーションの「これからご覧いただくのは、視聴者から送られてきた相談メールに、杉本が体当たりで取り組んだ戦いの記録である」という壮大な前フリから始まり、少年の部屋捜索からのエロ本発見、杉本ADの突撃インタビューからの玉砕、そして後半の超展開と全編を通して隙がない。

また、古賀Dがエロ本を発見した時の動作や、少年が胸の感想を述べた時の杉本ADの表情とカメラワークなど、無駄に芸が細かい点もポイントが高い。

正直なところ、15巻に収録されている他のエピソードは全部微妙なのだが、これを観るためだけに借りる価値はあると思う。

おわりに

以上、Not Foundシリーズ1~20巻の面白エピソードランキングでした。

Not Foundを観ていると、笑いと恐怖は実は紙一重なんだなーということに気づく。Not FoundシリーズはアマプラやDMM動画見放題サービスなどのサブスクで観ることができるので、コロナで退屈な毎日のスパイスとして一度観てみるのも良いかもしれない。

オカルト

Posted by Makoto