君はふじさわスタチュー美術館を知っているか

2022年2月27日

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羊の執事と大黒天

藤沢駅には北口と南口があり、北口の方は歩行者用の高架歩道(ペデストリアンデッキというらしい)に直結している。中心部分はサンパール広場と呼ばれており、ここからカルディやニトリが入っているさいか屋ビルやビックカメラにアクセスすることができるので、藤沢駅に立ち寄る際には大体この広場を通ることになる。

先日、いつものように広場を通り抜けてビックカメラに向かおうとした時、なにやら人だかりができているのを見つけた。

なんだろうと思って首を伸ばすと、ぐるっと捻じれた角をつけて執事服を着た人が直立不動で立っている。顔は紫色にペイントされており、どうやら羊と執事?の仮装のようだ。

メリーさんの執事

右の方に目を向けると、全身を金色に塗った大黒天っぽい人がこれまた立っている。最初はコスプレイヤーの撮影会かと思ったが、どうも様子が違うようだ。

ふじさわスタチュー美術館

近くにいたスタッフらしき人がビラを配っていたので一枚もらってみる。

ビラには「ふじさわ彫刻ミュージアム」とあり、写真には先ほど見た羊執事や大黒天の姿が映っている。広場を見渡すと、同じようにコスプレしている人達がいるではないか。

なんだこれ、面白そう。

なんだか埋もれさせるのも勿体ないので、自分が出会った中でも特にインパクトのあったスタチューの方々を紹介していきたいと思う。

アンティークドール リリー

ビックカメラの背景が絶妙にマッチしているリリーさん

名前のとおり、西洋のアンティーク人形を模したリリーさん。

そのスタチューっぷりはかなり気合が入っており、服装はもちろんのこと、大きなネジのついたオルゴールボックスの上に立ち、ほぼ微動だにせず西洋人形っぽいポーズを決めていた。そこそこ長い時間見ていたが、ほとんど瞬きもしていなかった気がする。

それだけではない。このリリーさんは、おひねりを入れると、オルゴールのネジが回り始め、流れる音に合わせて人形のようなぎこちなさ(ロボットダンスっぽかったが)でカクカク、ウィーンと動いてくれるではないか!

実際彼女の前では人だかりが絶えず、かなりの人気スタチューであったことが窺える。あとで調べてみたところ、普段からこういった活動をしているようだ。

アストロノーツ

ギミックが一番凝っていたのは多分この人

全スタチューの中でも、圧倒的に人気があったのがこのアストロノーツさん。

全身を銀色に塗り固め、ちょっとレトロな宇宙服を着たスタチューだ。X-MENのサイクロップスのようなバイザーを装着し、足元には「全日本彫像選手権 優勝」という謎の宣伝文句が書いてある。ちなみに調べたら本当に2017年に優勝していた。

この人は特に家族連れに人気で、その理由はおひねり後のパフォーマンスにある。

「ロケット燃料費」と書かれたおひねり箱にお金を入れると、「テ~レ~テレレレレ~レ~」という映画「E.T」のテーマが流れ、アストロノーツがまるで宇宙遊泳をしているか如くスローモーションで動くのだ。あとバイザーや胸のモニターも一緒に光ってた気がする。

これが子供にバカ受けで、広場にはひっきりなしにE.Tのテーマが流れていた。さすが全日本彫像選手権に優勝しただけはある。

ラブ天使 くっぴー君

くっぴー君が男なのか女なのかは最後まで分からなかった

個人的に一番好きだったのがこのラブ天使「くっぴー君」である。

全身を真っ白に塗りたくり、謎めいた微笑を浮かべながら弓を構えるその姿は相当なインパクトがある。というか、呪怨の俊雄くんっぽくて怖い。

しかも、他のスタチューは彫像なので基本的に動かないのだが、くっぴー君は立ったり座ったりなんか普通に動いている。それはもはやただのコスプレでは…。

しかし、曲者ぞろいのスタチューの中でも、スカートと薄い長そで一枚、そして自作の翼で立ち続ける彼(彼女?)にはカルト的な人気があったようで、意外と周りには人が集まっていた。自分もそんな一人だったと思う。

おひねりを渡すと、ハートの弓矢をこちらに向けるポーズで一緒に写真を撮ってくれた。

スマホの待ち受けにしたらご利益があったりしないだろうか

ローカルイベントは面白い!

以上、藤沢駅北口のサンポール広場で開催されていた「ふじさわスタチュー美術館」の様子であった。

今回紹介した方の他にも2日間で合計18名のスタチューが展示されていたようで、なかなかに盛況だったようだ。

残念ながら見ることができなかったスタチューも沢山いたので、またどこかで催されていることがあったら行ってみようと思う。

帰っていく時、ちょっと恥ずかしそうだったのは気のせいだろうか

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