【スイス豆知識】スイスで買った変な食べ物(2)Racine Persil
謎の野菜、Racine Persil
日本では当たり前ように食べられているが海外では全くポピュラーではない野菜があるように、スイスにも日本では見たことの野菜が売られている時があります。
今回紹介するRacine Persilもその一つです。
見た目は白くてゴツゴツした人参、といったところ。匂いを嗅いでみると香草っぽい強い香りがツーンと鼻につきます。
さて、これからこの野菜を調理していくわけですが、インターネットで全て調べてしまうと面白くないので、まずはネットの情報無しで色々試してみたいと思います。
生で食べてみる
少し香りが強いものの、見た目が人参っぽいということで皮を剥き、生でかじってみます。
…。
香草の臭いをそのまま味に変換したような強烈な味です。1秒持たず吐き出してしまいました。
私はパクチーは食べられますがこれはキツいです。絶対生で食べるやつじゃないですね。
ノンフライヤーでチップスに
生で食べたら大変な事になったので、次は焼いてみます。普通に炒めても良かったのですが、ノンフライヤーでジャガイモと一緒にフライにしてみます。
フライヤーを5分に設定し、中身を一旦混ぜて、もう一度5分。油を使わないヘルシーなフライの完成です。
早速実食してみます。ポテトはいつもどおり美味しい。ではRacine Persilは…
やはりマズいまま。まず、あの強烈な香りがほとんど消えていません。
食感もジャガイモのようにホクホクした感じにならず、繊維質がかなり残っていてグニョグニョした残念な食感です。
ノンフライヤーでもダメなんですか…。
ひたすら煮込んでみる
生でダメ、焼いてダメならあとは揚げるか煮込むしかないですね。
ということで、残りのRacine Persilをぶつ切りにして鍋に投入。中火でグツグツ煮込んでみます。
1時間後、一旦火を止めて様子をみます。形崩れはしていないようです。箸を刺してみるとスッと通る。
鍋からは相変わらず香草の香りが漂っていますが、生よりもかなり薄まっており、むしろココナッツっぽい少し甘い香りが混じっています。
期待と不安の入り混じった気持ちで、おそるおそる茹でたRacine Persilをかじってみます。
イケますね!
香りは残っていますが気にならない程度で、野菜に甘味が増しています。食感は人参と大根の中間のよう。
光明が見えてきました。あとはどの料理に仕上げるかです。
カレーの偉大さを改めて知る
煮込んだ時の味と香りから、どの料理を作るかは考えていました。タイカレーです。煮込んだRacine Persilの甘い香草の香りはスパイスとココナッツミルクにバッチリ合うはず。
ちょうど冷蔵庫にカレーのタネ(飴色玉ねぎとスパイスを混ぜたモノ)が1食分残っていたので、コレを使います。
鶏肉とRacine Persilを炒めて、タネに絡め、ココナッツミルクを加えて、仕上げに塩を加えて軽く煮立たせたら出来上がり。
ウマい!
Racine Persilのクセの強さとスパイスが上手く調和していてバクバク食べられますね。カレーの懐の広さを信じて良かったです。
Racine Persilとは何だったのか?
さて、Racine Persilの美味しい食べ方が分かったところで、そもそもこの野菜が何なのかを調べてみることにします。
ググってみると、Racine Persil=パセリの根っこ、という情報が出てきました。日本語では「パースニップ」と呼ぶらしいです。
確かにそう言われてみると、パースニップを生で口に入れた時の喉が受け付けない感覚は、子供の頃、添え物のパセリを食べてえずいてしまった時と良く似ているような気がします。
ちなみにネットでは「人参に似た風味で甘く美味しい」とか書かれているが、これはキチンと調理した場合のみに当てはまるので注意しましょう。人参スティックのような食べ方は無理です。たぶん吐きます。
終わりに
以上、スイスで買った変な食べ物、Racine Persilでした。
スイス~フランス圏内のスーパーであれば簡単に見つけることができます。
パセリはミントのように葉っぱが地面から生えているものだと勝手に思っていましたが、実はこんな立派な根っこを持っていたんですね。結構衝撃でした。
しかし、これだけ根っこが強烈な存在感を放っているにも関わらず、葉っぱの部分との知名度差がありすぎますね。まぁ葉っぱ(パセリ)ですら飾りとして食べられることなく捨てられていくのですが…。
なんだか凄い頑張っているのに報われない兄弟を見ているようで、パースニップのことを応援したくなってしまいました。せめて自分くらいはたまに料理に使ってあげようと思います。
主張はかなり強めですが、味が濃いめの煮込み料理なら大体いけるのではないでしょうか。
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