【TEDまとめ】人類は滅亡してしまうのか?世界の終末にまつわるTED3選
TEDとは?
TED(Technology Entertainment Design)とは、毎年大規模な世界的講演会「TED Conference」(テッド・カンファレンス)を開催している非営利団体です。TEDではテクノロジー、環境問題、アートなどありとあらゆる分野について世界中の専門家がプレゼンテーションを提供しています。
プレゼンテーションは基本的に英語で行われ、講演内容はTEDのウェブサイトで無料で閲覧することが可能。ウェブサイトでは有志による多言語翻訳も提供されており、日本語のスクリプトも読むことができます。
人類は滅亡してしまうのか?世界の終末にまつわるTED3選
1999年、空から恐怖の大王が来るだろうとはノストラダムスによる世界滅亡の予言ですが、あれから20年、我々は今でもこの地球上で普通に暮らしています。
一方で地球温暖化や核戦争、今は新型コロナ等、人類滅亡のシナリオは人々の間で常に語られてきました。
今回はそういった世界の終末にまつわるTEDトーク3本を紹介していきたいと思います。
今世紀我々は人類の終わりを回避できるか:サー・マーティン・ルース
人のいない人類文明終焉後の地球、それはテレビや映画のSF物語のようです。しかし、この驚愕の短いトークの中で、サー・マーティン・リースは、人類の存在を脅かす、考え得る最悪の惨事は何かを考えるよう訴えかけます。自然か、それとも人工的な脅威が人類を抹消してしまうのだろうか、と当事者の人類の一員として私達に問いかけます。
1本目はサー・マルティン・ルースによる「今世紀我々は人類の終わりを回避できるか?」。
かつて人類の脅威は病気、地震、小惑星など自然からのものでした。しかし、この先は人類に対して滅亡をもたらすのは人類自身の可能性が高いとしています。
そしてそれは核に限らず、将来的なバイオテクノロジーの発達によるバイオテロやAIの高度化によるロボットの暴走など、高度に発達した技術がもたらすのはその利便性以上の脅威かもしれないと指摘しています。
世界が終わってしまうかもしれない10の方法:スティーブン・ペトラネック
世界はどう終わりを告げるのか?スティーブン・ペトラネックは、人類を守るにあたり直面する難題について展開します。人類は小惑星により全滅してしまうのか?生態系の崩壊は?衝突型加速器の事故は?
2本目はスティーブン・ペトラネックによる「世界が終わってしまうかもしれない10の方法」。
1本目に紹介したTEDトークはどちらかという概念的なスケールの話でしたが、ここでは具体的に人類が滅亡してしまうかもしれないシナリオについて話しています。
隕石の落下、宇宙人の侵略、衝突型加速器の事故によるブラックホールの発生、新種の伝染病の世界的流行などが挙げられていますが、その中でも目新しかったのが「人類の長寿化による生きる意志の喪失」と「地磁気の反転」です。
前者については、WHOの推定によると、我々は20年前と比べると身体的には遥かに健康にも関わらず、地球上の5人に1人が精神疾患を抱えていると言われています。そして自殺の傾向が最も高いのが65歳以上の人間であることを考えると、この先、仮に人類の寿命が100年、200年と延びていった場合、最終的に人類は生きる意志を失ってしまうかもしれない、というのがこの説です。
ちょっと突飛な気もしますが、人類滅亡の原因が自然災害でも人為的なものでもなく、鬱だったとしたら何とも皮肉な話ですね。
「地磁気の反転」は映画や小説のネタとして偶に聞くことがありますが、ざっくりいうと南極と北極の地軸が逆転する現象です。この現象が起きると、約100年間に渡って地球の周囲に存在する磁場を失い、すべての宇宙線や粒子が太陽から流れ込んでくることになるそうです。人類どころか地球上のほとんどの生命が死に絶えることになるでしょう。
ちなみに地軸の位置が移動するのは「ポールシフト」と呼ばれており、地磁気の反転とは区別されるそうです。
この説の恐ろしいところは、地磁気の反転は数十万年毎に生じており、前回は78万年前に起きている点。つまり、周期的に次の反転はいつ起きてもおかしくない状況にあるのです。
人類が突如消えたら何が起きるか?:ダン・クワ―トラー
人類はどこにでもいます。すべての大陸に居住地があり、もっとも辺鄙なジャングルや海原やツンドラにも人類が見られます。人類の及ぼす影響は大きく、地球の地質記録に恒久的な痕跡を残していると多くの科学者は考えています。では、人類が突如消えたとしたら何が起きるのでしょう? ダン・クワートラーが探ります
3本目はダン・クワ―トラーによる「人類が突如消えたら何が起きるか?」。
今までは人類滅亡のシナリオに関するTEDトークを紹介してきましたが、今回は人類が滅亡した後、地球はどうなるのか?という点にスポットを当てたプレゼンです。
人類が地球からいなくなった後、地上に残された動物や植物、昆虫は一体どうなるのか?
本プレゼンでは、最初の数か月は世界中で劇的な変化が生じるが、その後は数十年、数百年という長い時間を掛けて生物も新しい環境に適応していくだろうとしています。
しかしそれでも、土壌の金属汚染や二酸化炭素の水準が人類史以前の状態に戻るには数万年以上はかかると言われており、人間がこの短い歴史で地球に与えてきた環境への影響の深刻さが伺えます。
おわりに
世界の終末にまつわるプレゼン3選、如何でしたでしょうか。
我々は目の前の問題に気を取られがちで、こういったスケールの大きい問題は人任せだったり後回しにしてしまう傾向があると思います。
しかし、このままだと、この21世紀ですら人類が生き延びることができる確率は意外と高くないのかもしれません。
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