【TEDまとめ】知っているようで実は知らない?身近なものの奇妙な歴史3選

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TEDとは?

TED(Technology Entertainment Design)とは、毎年大規模な世界的講演会「TED Conference」(テッド・カンファレンス)を開催している非営利団体です。TEDではテクノロジー、環境問題、アートなどありとあらゆる分野について世界中の専門家がプレゼンテーションを提供しています。

プレゼンテーションは基本的に英語で行われ、講演内容はTEDのウェブサイトで無料で閲覧することが可能。ウェブサイトでは有志による多言語翻訳も提供されており、日本語のスクリプトも読むことができます。

知っているようで実は知らない?身近なものの奇妙な歴史3選

トレッドミルの暗く・奇妙な過去:コナー・ヘファナン

足元で休みなく続くドンドンという音。限られたスペース。そしてどこへ行くわけでもない単調さ。トレッドミル(ルームランナー)の上を走るのは、まるで拷問のようですが、元はまさにそのために用いられていたことを知っていましたか? コナー・ヘファナンが、暗く奇妙なトレッドミルの歴史を紐解きます。

1本目はコナー・ヘファナンによる「トレッドミルの暗く奇妙な歴史」。

トレッドミルは今はどこのスポーツジムにもある運動器具の一つですが、元々は犯罪者を更生させるための器具として開発されたことはご存じでしょうか? 

トレッドミルは、1818年にイギリス人技師の サー・ウィリアム・キュービットによって発明され、受刑者に肉体的苦痛を与えると同時に穀物の加工など動力として利用できることから、一石二鳥の画期的な刑罰として当時の大英帝国やアメリカで急速に広まったそうです。

しかし、あまりにも過酷で冷酷であるという理由で1898年には刑務所でトレッドミルを使用することは禁じられたとのこと。

まぁ、そりゃそうですよね。想像してみてください。どれだけ腹が減ってようが、体調が悪かろうが、毎日何時間も延々と単調な変わらない風景の中を歩き続けなければならないのです。体が衰弱する前に精神に異常をきたしてもおかしくありません。

これほど残酷な歴史を持ったトレッドミルが、今は最もポピュラーな健康器具の一つとして世界で親しまれているというのは何だか皮肉な話です。

IQテストの闇の歴史:ステファン・C・ドンブロウスキー

1905年 心理学者のアルフレッド・ビネーとテオドール・シモンは、フランスの学校で悪戦苦闘している子ども向けのテストを考案しました。個別の配慮が必要な子どもの判定を目的とし、それはIQテストの礎となりました。IQテストはどのように機能し、また、本当に知性を反映しているのてしょうか?ステファン・C・ドンブロウスキーが、歴史を通じてどのようにIQテストが使われて来たのかを探ります。

2本目はステファン・C・ドンブロウスキーによる「IQテストの闇の歴史」。

皆さんはIQテストを受けたことがありますか?ちなみに私はありません。

この問題が解けたらIQ120!みたいなものにはチャレンジしたことはありますが(もちろん解けませんでした)、IQそのものを測るテストっていうのはそもそもどこで受けれるんですかね。

さて、元々IQテストは学習支援が必要な子どもを特定するためのテストとして20世紀初めに考案されたものです。

しかし、世界中で普及するにつれて選民思想のイデオロギーとして利用されたり、ナチスではIQの低い子どもの殺害を正式に認めていた(!)など、本来の思想とはかけ離れた形で利用されることが多々あったようです。

現代ではIQではなくEQ(心の知能指数)の重要性が提唱されるなど、また異なったスポットの当て方がされているようですが、人間の知能や能力に対して何らかの基準やラベル付けをする限り、そこに格差や差別が生まれてしまうのは避けられないような気もします。

鉛筆が完璧な理由:キャロライン・ウィーバー

鉛筆が六角形で黄色が定番になったのはどうして? 鉛筆店を営むキャロライン・ウィーバーが、鉛筆の心躍るような歴史へと誘います。

3本目はキャロライン・ウィーバーによる「鉛筆が完璧な理由」。

前二つが少し暗めのトピックだったので、最後は明るめのプレゼンを紹介したいと思います。

シャープペンやボールペン、最近ではフリクションなど消せるペンが便利になってしまったことや、PCやスマホの発達によって手で字を書く機会がめっきり減ってしまったため、日常生活で鉛筆を使うことはほとんど無くなってしまいました。

しかし、鉛筆は最も長い歴史を持つ文房具の一つであり、現代においても世界中に愛好家がいます。

その歴史は古く、古代から鉛は文字を書く道具として使われていたようで、そこから黒鉛が使われるようになり、すりつぶした黒鉛と粘土と水を混ぜてこねる方法が18世紀のフランスで開発され、そこから大量生産により一気に世界に普及することになったとのこと。この黒鉛の芯の製造方法は現代に至るまで変わっていないというから驚きですね。

なお、日本では17世紀初頭に徳川家康が初めて鉛筆を使用した記録が残っているそうです。ただ、一般市民への普及はかなり遅かったようで20世紀頃にようやく一般的に使われるようになったとのこと。

本プレゼンでは、他にも鉛筆が六角形になった経緯や色についても言及しており、最後まで面白く聞けるプレゼンなので、興味のある方は是非聞いてみてください。

 

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Posted by Makoto